医療における安全文化に関する調査

医療における安全文化

安全文化は厚生労働省・医療安全対策検討会のヒューマンエラー部会において、平成13年に提案された「安全な医療を提供するための10の要点」の第一にあげられている項目です。

医療における安全文化とは、医療に従事する全ての職員が、患者の安全を最優先に考え、その実現を目指す態度や考え方およびそれを可能にする組織のあり方とされています。

チーム医療と安全文化

近年チーム医療の重要性が医療安全の点からも再認識され、チーム医療を推進するための様々なチームトレーニングも行われ始めています。

米国連邦政府が推進するチームトレーニングであるチームSTEPPS(チームステップス)は、この安全文化を醸成する一つの方法として提案されており、必用な事前のニーズ評価としても、この安全文化調査が推奨されています。

調査の目的および活用

安全文化を測定して、改善点を明確化する

ベンチマーキング

医療安全を推進する活動による経時的変化をみる(事故の有無だけでは評価困難です)

調査票の妥当性

安全文化と調査するツールである調査票は,米国AHRQにより開発され妥当性が既に示された質問票であり、66カ国で使われています。

日本語版は統計的な妥当性を評価し、言語学的妥当性を担保するために翻訳・再翻訳を繰り返し、ネイティブスピーカーや言語学の専門家と共に作成しました。

参考文献等

[1] 厚生労働省. ヒューマンエラー部会安全な医療を提供するための10 の要点,2001

[2] Sorra JS, Nieva VF. Hospital Survey on Patient Safety Culture. AHRQ Publication No. 04-0041,2004

[3] 種田憲一郎, 奥村泰之, 相澤裕紀, 長谷川敏彦. 安全文化を測る 患者安全文化尺度日本語版の作成 ,医療の質・安全学会誌, 第4 巻第1 号, 2009

[4] 種田憲一郎.研究代表者.厚生科学研究費補助金・医療安全・医療技術評価総合研究事業「医療安全推進に必須の組織文化(安全文化)の測定および簡便な有害事象把握手法の開発と活用」〈課題番号:H19 - 医療一般 - 002〉平成19-21年度総合研究報告書;2010

データの活用について

参加頂いた施設のデータは、データ入力後、必要に応じて個人が特定されない編集をして、ほとんど全てのデータを各施設にお返しいたします。さらなる分析等にご活用下さい。

医療における安全文化に関する調査事務局は、今後の医療安全の推進のために、個人・施設が特定されない形で集計した結果のみを学会、学術誌等で発表させて頂きます。

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